2016.7.28

INTERVIEW──谷尻 誠・吉田 愛 |[遊動の家]三越伊勢丹

日本はリノベーションの時代に入りました。そこに斬新な視点から新市場を開こうと、三越伊勢丹と建築家、谷尻誠・吉田愛の協働が行われました。この家は「ニュー・ノマド」すなわち、定点居住というよりも、仕事で移動が常態となったような人々を対象としています。超過密に働く彼らは所得も多く、付き合う人々の範囲も広い。どっぷりと暮らしにはまり込むよりも、月の半分を過ごす快適な拠点として、また、知人達を招いて気軽にパーティを楽しめる、そんな空間を想定しています。世界は定住の時代から、再び遊動の時代へと動いているのかもしれません。
百貨店は、高い商品調達力で、ヴェネツィアングラスのシャンデリアでも、北欧の家具でも、京都の老舗表具店のふすまでも、自在に調達ができるはず。また築いてきた顧客との信用も大きな財産。建築家と施主の理想的な媒介者です。保守的になりがちな高額の取引に、ため息の出るようなソリューションを調達していきます。

 

谷尻 誠・吉田 愛 建築家

2000年建築設計事務所Suppose design office設立。2014年 SUPPOSE DESIGN OFFICE Co.,Ltd 設立。住宅、商業空間、会場構成、ランドスケープ、プロダクト、アートのインスタレーションなど、仕事の範囲は多岐にわたる。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設など国内外合わせ現在多数のプロジェクトが進行中。