2016.7.18

INTERVIEW──長谷川 豪 |[吉野杉の家]Airbnb

コミュニティ主導型のホスピタリティー企業として世界の先頭を走るAirbnbは、HOUSE VISIONを通して、奈良県の吉野町と新しいストーリーを作ろうとしています。吉野の杉を用いて、建築家、長谷川豪が設計するのは、コミュニティがホストとなることで地域との新しい関係を目指す家。この家の一階部分は、町の人々に解放されたコミュニティスペース。子育て中のお母さんたちが子供を遊ばせながらおしゃべりに興じたり、散歩中のお年寄りが立ち寄ってお茶を飲んだりという、自由な用途に開放されます。
一方、二階の三角屋根の屋根裏部屋は、外からやってくるゲストたちが宿泊する空間です。会期終了後は再び吉野町に運ばれ、Airbnbに登録される予定です。東に向いた日の出の部屋と、西向きの日の入りの部屋。吉野町への移築後は川沿いに設置されます。Airbnbを利用して旅する人々の興味は、より深く現地と付き合うこと。地域の人々と、そこを訪れる人の新たな関係を創出する家です。

 

長谷川 豪 建築家

1977年埼玉県生まれ。東京工業大学大学院修士課程修了後、西沢大良建築設計事務所勤務を経て2005年長谷川豪建築設計事務所設立。東京工業大学非常勤講師、メンドリジオ建築アカデミー客員教授、オスロ建築大学客員教授を歴任。現在カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)客員教授。主な受賞歴に、平成19年東京建築士会住宅建築賞金賞、第24回新建築賞、AR Design Vanguard 2014。新刊にヨーロッパ建築家へのインタビューをまとめた『長谷川豪カンバセーションズ』(LIXIL出版, 2015)