2016.7.13

INTERVIEW──五十嵐 淳・藤森泰司 |[内と外の間/家具と部屋の間]TOTO・YKK AP

TOTO・YKK APと建築家、五十嵐淳、そして家具デザイナー、藤森泰司が提案するのは「内と外の間/家具と部屋の間」です。始まりは「窓」を単なる壁の開口部と考えるのをやめ、そこに新しい機能を仮想し、空間の可能性を読み込んでみる五十嵐淳の着想でした。藤森泰司は、家具を、部屋から切り離された道具と考えず、空間と機能を同時に作り出す家具のあり方を模索していました。結果として、窓は奥行きを持った開口部として発展し、内と外の間に、これまでにない不思議な空間が生み出されました。そこに、機能と空間を同時に生み出す家具が掛け合わされていきます。具体化された展示ハウスは、扇の要のような部屋から、開口へと向かう厚みのある窓が放射状に展開し、安らぎも、入浴も、集中も、ダイニングも、それぞれを担う独立した空間として表現されています。この空間をなんと呼べばいいのか。全く新しい建築ボキャブラリーの誕生です。

 

五十嵐 淳 建築家

1970年北海道生まれ。1997年五十嵐淳建築設計事務所設立、2005─10年北海道工業大学非常勤講師、2006─08年東北大学非常勤講師、2006年─13年名古屋工業大学非常勤講、2012年オスロ建築大学(The Oslo School of Architecture and Design)客員教授、2013年慶應義塾大学非常勤講師。主な受賞歴に、1996年日本建築学会北海道建築奨励賞、2003年第19回吉岡賞などがある。

 

藤森泰司 家具デザイナー

1991年東京造形大学デザイン学科卒業後、家具デザイナー大橋晃朗に師事。1992年より長谷川逸子・建築計画工房に勤務。1999年に藤森泰司アトリエ設立。家具デザインを中心に据え、建築家とのコラボレーション、プロダクト・空間デザインを手がける。グッドデザイン賞特別賞など受賞多数。桑沢デザイン研究所、武蔵野美術大学、多摩美術大学、日本工業大学非常勤講師も務める。2016年よりグッドデザイン賞審査委員。