s
2016.7.21

INTERVIEW──永山祐子 |[家]Panasonic

進化する家は、全体としてひとつの家電のようになります。「三匹の子豚」の3つの家の中で建築家、永山祐子が好ましいと考えるのは、軽くて狼に吹き飛ばされてしまう「ワラの家」。堅牢なレンガの家にはない軽さと繊細さがいいと言います。
家」は「の」の字型の丸い壁面に囲まれていて、入り口から室内に自然に導かれます。曲面の壁はすべてがスクリーンとなり、家の中のどこにいても映画やテレビ電話、webサイトが自在に楽しめます。屋根の登頂には風見鶏のセンサーが付いていて、外気の状態を敏感に察知し、室内の住人にさりげなく知らせます。
キッチンはアイランドとして独立し、風呂やトイレは中央部にまとまり、その上が寝室になります。中央部は四角く設計されていて、この壁を背にすることで、無意識に空間が区画されますが、現実にはシームレスにつながる居住空間です。
四角い隅を持ち、そこに四角い家具や家電を配置するこれまでの空間構成から解放された、俊敏でデリケートな家です。

 

永山祐子 建築家

1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。1998─2002年青木淳建築計画事務所勤務。2002年永山祐子建築設計設立。主な仕事に、「LOUIS VUITTON 京都大丸店」、「丘のある家」、「ANTEPRIMA Singapore ION店」、「カヤバ珈琲」、「SISII PRESSROOM」「木屋旅館」「豊島横尾館」など。ロレアル賞奨励賞、JCDデザイン賞奨励賞、AR Awards(UK)優秀賞、ARCHITECTURAL RECORD Award, Design Vanguard 2012など受賞。