2016.7.28

INTERVIEW──アトリエ・ワン |[棚田オフィス]無印良品

都市と農村の二拠点居住を構想するのは無印良品と建築家、アトリエ・ワン。無印良品は、房総半島の中央部にある「釜沼」という集落と交流をしています。日本のどこにでもある里山ですが、米作りに携わる人々は高齢化し、田植えや稲刈りには少し人手がほしい。無印良品はその時期に一般の人々に声をかけ、田植えや稲刈りをささやかなイベントとして人々を集め、この地のお手伝いをしているのです。
収量は経済的に僅かですが、米作りは経済に資するだけのものではありません。稲は日本の風土そのもの。日本人の文化の中に米が育まれたのではなく、稲の中に日本文化が産み落とされたのです。田の管理は治水の知恵と美しい景観を生み出し、収穫を迎えたのちには余った藁は縄は草鞋、正月飾りになっていきます。そういう暮らしを絶やしてはいけないと、日本人なら直感的に感じます。
パソコン一台でどこでも仕事のできる人たちが、稲田の光景を見ながら仕事をする。そんな拠点が「棚田オフィス」です。

 

アトリエ・ワン 建築家

1992年、塚本由晴と貝島桃代によりアトリエ・ワン設立。2015年、玉井洋一がアトリエ・ワンのパートナーとなる。国内外での住宅、公共空間の設計や、建築・都市空間についての民族誌的な研究を通して、自然と人とモノのふるまいについて思考する「ふるまい学」を提唱。