2015.11.24 HOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITIONプレスカンファレンスを開催。
2015.11.24

HOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITION プレスカンファレンスを開催。

2015年11月16日、日本デザインセンター POLYLOGUEにて「HOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITION」のプレス・カンファレンスが開催されました。
2回目の開催となる東京展には、前回の倍以上になる15社の企業、そして11名の建築家をむかえます。テーマは「CO-DIVIDUAL 分かれてつながる/離れてあつまる」。個と個の連携に目を凝らしながら、「家」を産業の交差点として潜在する未来の可能性を構想し、具体的なかたちに結実させていきます。プレス・カンファレンス当日は12名の参加企業代表の方々、5名の建築家にお集りいただき、参画に際しての展望を頂戴しました。

原 研哉

HOUSE VISION世話人

2回目となる今回は、より明確な趣旨で具体的なかたちを示したいと考えています。心強いメンバーと共に、潜在する未来の可能性を日本から世界に発信していく機会にしたいと思います。

Joe Gebbia
ジョー・ゲピア

Airbnb
CPO 兼 共同創業者

Airbnbは、世界中どこでも人の家に泊まることのできるサービスです。世界中で200万軒、日本にも22000軒、実は47都道府県すべてにコミュニティがあります。Airbnbによって人々はつながりやすくなり、世界は狭くなってきました。
今回の提案では、物理的な建物としての「家」を外してみたときに「家」や「仕事場」という概念には何が残るかを探求してみたいと思っています。

丹沢秀夫

ヤマトホールディングス
上席執行役員

Eコマースが日常になった今日、人と物流の関係は親密さを増しています。ヤマトが「お届け」するのは、生活に必要な医薬品、食品はもちろん、家族の「見守り」など、サービスの範囲にまで及びます。
来年の展覧会では柴田文江さんと共に、人と物流の関係に新しい価値を生む「住む人と配達する人が仲良くなるようなプロダクト」を生み出したいと思っています。

大西 洋

三越伊勢丹
ホールディングス
代表取締役社長

日本の潜在的な価値を引き出し、世界に発信していくというHOUSE VISIONの考えに賛同し、初参加することになりました。これからはひとりひとりの「ライフスタイル」があらゆる産業の中心になる時代です。その社会に対して日本の百貨店が生み出せるものは何か。ただの「家」ではなく、環境空間、生活に関わるすべてを基軸に、新しい価値観を提案していきたいと思います。

川本隆一

LIXILグループ
代表執行役員副社長

「不易流行」という言葉があります。
物事には必ず変えるべき部分と、変えるべきでない部分がある。その「変える部分」に対して、どれだけイノベーティブな提案ができるかというところに私たちの未来はかかっているのではないでしょうか。HOUSE VISONでは潜在する未来の可能性を、よりイノベーティブな具体例で提案していきたいと思っています。

河本二郎

トヨタマーケティング
ジャパン
代表取締役社長

メルセデスベンツがガソリン車を発表してから100年と少し。いまこそが、新しい「クルマ」のかたちを本気で考える時期だと思っています。動くことのできない「家」に対して、くるくると動きまわる「クルマ」になにができるのか。隈研吾さんと共に、家と人とクルマのこれからの関係性を考えていきます。

増田宗昭

カルチュア・
コンビニエンス・クラブ
代表取締役社長 兼 CEO

2016東京展は、スマホを通して「家」を考えます。いま人々にとって最も価値のあるものは、ものではなく「人間関係」。それをより良くするための道具として、携帯電話には何ができるでしょう。本日(11/16)発表した携帯電話「TONE (m15)」の技術なども応用しながらつながり、きもち、家を基軸にして、何かおもしろいことができればと思っています。

田鎖郁夫

MUJI HOUSE
専務取締役

無印良品は、日本はローカルの集合体であると考えています。大切な「ローカル」に活力を与え、未来につなげるためには。今取り組んでいる鴨川の「棚田オフィス」を例に地方にオフィスをつくり、スマホやインターネットをつかいながら、場所にしばられずに働くノウハウや可能性を展示の間にみなさんと考えたいと思います。

武井浩介

TOTO
デザイン本部長

TOTOは住居の部材を通して豊かな住社会をつくってきました。暮らしに一生寄り添えることは、いまも昔も製品の価値のひとつですが、住まい手の考え方や、価値観が少しずつ変わってきていると感じます。
建築家の五十嵐淳さん、そして家具デザイナーの藤森泰司さんとともにこれまでの既成の価値観を生活者の視点に立ってもう一度見つめ直したいと思います。

坂本由忠

YKK AP
デザイン情報室長

ミラノサローネに出かけた時、たまたま原さんと空港でお会いしたんです。その時「外国のものを見てくるのもいいけど、僕たちは日本から世界に発信していかなくてはならないね」という風に話をしたのを覚えています。前回の「極上の間」に負けないよう、今回も世界に面白がっていただけるものを提案できたらと思います。

山中紀夫

凸版印刷 取締役
生活・産業事業本部
ビジネスイノベーション
センター長

凸版印刷はこれまでも、壁や床に木目を印刷する技術などで家に関わってきました。今まではその「機能の高さ」を争って技術を磨いてきましたが、HOUSE VISONではもう少し大きな視点から、未来の住空間を考えてみたいと思います。
印刷テクノロジーを使って、人の暮らしをもっとよくすることはできないか。石上純也さんと共に探っていきます。

小林克満

大東建託
取締役常務執行役員

どんな刺激を受けられるか期待を持っています。
挑戦するのは「賃貸住宅」の再定義です。日本は世界でも類をみない高齢化社会。消極的にも悲観的にもならずに、それを解決していけたら。シェアハウスは時代の気分を反映していますが、まだ「特別解」という感じがします。「一般解」としてのシェアハウスはどんな風になるのか、藤本さんと共同して考えていきます。

広原規之

味の素ゼネラルフーヅ
取締役専務執行役員

期間中に会場で展開する移動式コーヒー店をつくります、というだけではなく「移動」と「コーヒー」の可能性を探る機会になればと期待しています。「あらぬ機会にあるコーヒー」という大きな切り口で、長谷川豪さんとともに本当においしいコーヒーのかたちを、問うてみようと思います。

新美弘美

カッシーナ・イクスシー
取締役 執行役員
商品本部長

カッシーナは、ウサギ小屋からの脱却と、洗練された家を創造するという命題の下に1980年に日本にやってきました。そして2017年、イタリアのカッシーナは創立から90年をむかえます。家具のデザインやものづくりの情熱などを発信しながらHOUSE VISIONの会場にふさわしい家具を提案できればと思います。

隈 研吾

住宅とは、建築にとって一番重要なテーマです。
これまで建築の歴史の中で「住宅」には何度か転機がありました。生き方が変わるときに、人間と物質のつきあい方は変わります。その可能性を探るHOUSE VISIONが今この時代に開かれることには、大きな意味があるのではないでしょうか。日本人から新しいライフスタイルを世界に発信することにも、期待を感じています。

長谷川 豪

単なる建築家の作品展示ではなく、企業と構想し、実際に建て、お客さんが経験できること。
そこがHOUSE VISIONのいいところだと思います。今回は企業の方に、展覧会が終わってからも使えるものがほしいという風に言われているのでとてもやりがいがあります。大きなビジョンだけでなく、新しいリアリティを具体的に生み出せる機会にしたい。

五十嵐 淳

北海道の出身だからか、根っこのことばかりが気になる性分です。「枝」が技術によって人間の身体を拡張することならば、「根っこ」は、人間がどういう風に考えるのかという部分。
窓は、人間に対してどのような感覚を提示できるのか。それを体感してもらえる場をつくりたいと思います。

藤森泰司

家具デザイナーとして参加します。
今回は五十嵐淳さんと共同でプロジェクトに挑みますが、家具デザイナーと建築家が合わさるからこそ何か面白いことになるのではと期待しています。当たり前のようなところを目指しながら、実は少し変わっている。そんなところを目指していきたいと思います。

藤本壮介

賃貸住宅を再定義する、ということで、人が集まって住む家の可能性を探ってみたいと考えています。普通に考えたらは共有しないものをを共有すると、どんなコミュニケーションが生まれるのか。生活の価値が見えるようなかたちで提案します。単なる住み方ではなく、社会の根本を見直すような作業になるのではないかと思います。

永山祐子

テクノロジーは生き物だ、と考えたときに人も家も、進化していくものなのだと感じました。
子供がなんなくテクノロジーと関わっているのをみると、人は進化しているのだと気づきます。「新しい進化の過程」という時の流れを感じながら、新たな価値を提案できたらいいなと思います。

HOUSE VISION世話人 土谷貞雄より
HOUSE VISION CHINAの活動報告もありました。

孫 群様

北京国際デザインウィーク
組織委員会
副主任

欧米人から、アジア各国にはどのような違いがあるか問われることがあります。
それに対して私はこう答えることにしています。物事に対して、日本はWHY、韓国はWHAT、中国は HOW MUCHと聞くのですよ、と。
HOW MUCHの中国でHOUSE VISIONの活動するのは大変かもしれません。しかし、たくさんの中国企業と中国の建築家に、2016年の展覧会を見せたいと思います。そして、このプロジェクトを通して、中国人が「HOW MUCH?」から「WHY」「WHAT」に変化するきっかけをつくれたらと思います。

今後の活動報告などは、EXHIBITIONページにて行います。
HOUSE VISON 2016 TOKYO EXHIBITIONにぜひご期待ください。

EXHIBITIONのページを見る